緊急事態宣言解除で、これまで以上に感染対策が重要に!
「正しいマスクの使い方」を徹底解説!
多くの人が感じている通り、宣言解除=新型コロナウイルスがなくなった=安心
というわけではありません。今も毎日感染者が見つかっており、予断を許さない状況です。
むしろ、人との接触を極力避けてきたこれまでと違い、
これからは人と接触しながら生活していくことになるのですから、
これまで以上に感染対策が重要になってくるといえます。
ということで、感染対策のひとつである「マスク」について徹底解説していきたいと思います。
いまだに、間違った使い方をしている人を見かけない日はない(!)くらい、
実は細かいルールがあります。
今回は「正しいマスクの使い方」を大放出!5回にわたって徹底解説します!
マスクの種類・表記について
N95マスクの日常使用はお勧めしません。
N95マスクは一般向けのマスクではないからです。
N95マスクは、医療従事者が、特に感染力が強い感染症と対峙する際に
着用するイメージがありますね。
さらには、WHOが「(一般の)マスクに予防効果はない」と
声明を出したことからも、N95マスクに注目が集まりました。
しかし、N95マスクがその高い効果を発揮するためには
・フィットテストを経て、どのN95マスクにするか決定する
・そのマスクを装着するたびに、フィットチェックの実施が必須
……と、かなり厳しい条件が必要です。
フィットテストとは、専用の機器を使い、甘みのあるガス(サッカリン)を噴射したり
専用の機器と接続したりして、空気の漏れがないか確認する行為です。
フィットチェックとは、マスクを着用した状態で、
手で空気の漏れを確認する行為です。
息を吸った際に、N95マスクがへこむくらい、気密性が高いです(!)
ここまでの説明でわかる通り、N95マスクはそもそも一般向けの製品ではありません。
そして、もしもこれらのテストやチェックを経て使用を開始できたとしても
1時間も着けていられないほど息苦しいものです。
……と、明らかに一般の日常使用向けではないつくりをしています。
反対に一般向けにN95マスクを、フィットテスト・フィットチェックの説明なしに
販売するような業者には注意が必要です。
また、現時点でN95マスクを日常的に使用していて
息苦しさがない場合には、その効果を発揮できていないことになります。
それどころか、物理的に考えると、密度の高いフィルターを避けるように
顔とマスクの隙間から外気が入り込むことになるので
一般のマスクを着けるよりも感染対策効果が低くなる可能性すらあります。
▼PFE
微粒子ろ過率(Particle Filtration Efficiency)
0.1μmサイズの粒子をどれだけ捕集できるかを表します。
0.1μmというと、咳・くしゃみなどの飛沫が蒸発して
非常に小さくなった「飛沫核」サイズです。
▼BFE
バクテリア(細菌)ろ過率(Bacterial Filtration Efficiency)
3μmサイズの、細菌を含んだ粒子をどれだけ捕集できるかを表します。
3μmというと、花粉や、咳・くしゃみなどの「飛沫」サイズです。
▼VFE
ウイルスろ過率(Virus Filtration Efficiency)
0.1μm~5μmの、ウイルスを含んだ粒子をどれだけ捕集できるかを表します。
咳・くしゃみなどの「飛沫」全般のサイズです。
▼「○FE99%」とは?
その粒子について99%の捕集率が確認できました、という表記です。
▼「μm」とは?
μ(マイクロ)m(メートル)と読みます。
1μm=1mmの1000分の1の大きさ(長さ)です。小さいですね。
必ずしもそうとは言えません。
表記がなくても、少なくとも大きな飛沫は受け止めてくれるため、
マスクを着けないよりかは絶大な感染予防効果があります。
表記がある方が安心できる製造元である可能性が高い、とは言えます。
※海外製品では虚偽の表記の可能性もありますが……
また、反対に表記があるから効果があるのか、と言えば
それはそうとも言いきれないため、次の質問もあわせてご確認ください。
そうではありません。
これらの表記は、あくまでもフィルター自体の性能を評価したものであり、
マスク着用中の感染予防率を表すものではありません。
実際にマスクを着けた際には、少なからずマスクと肌の間に隙間が生じるため
感染予防効果は表記よりも下がります。
また、マスクで覆えていない、目からの感染もあり得ます。
このことから、上記の質問にもある通り、
この表記に無理にこだわる必要はありません。
「選択の余地があるのなら、表記があるものの方がいい」
くらいに思っておきましょう。
花粉用マスクとして販売されているものは、
上記でいうPFE、VFEの規格には合っていないのだろうと推測できます。
フィルター自体の性能には不安が残りますが、
上記にもある通り、着けないよりはずっと効果があるので、選択肢としてはありです。
選択の余地があれば「風邪用」「ウイルス用」と表記のあるものであれば
フィルター性能が高いものになります。
布マスクも、性能に関する特別な記載がない限りは
花粉用マスクと同様の解釈で構いません。
最近はフィルター性能に関する記載のある
布マスクもだんだんと増えてきています。
ひとつの判断基準にすると良いです。
プリーツタイプや立体型など、さまざまなものがありますね。
基本的には、肌とマスクの間に隙間ができにくいものがおすすめです。
プリーツタイプの方が調整が効きますが、
サイズによっては隙間がたくさんできてしまったり、
反対にキツすぎて耳が痛くなったりなど、個人差があります。
顔の形によっては立体型の方がいい、という方もいらっしゃいます。
自分に合うマスクを探しましょう。
コロナ流行後のマスク品薄状態を経て、海外製のマスクが大量に
国内に入ってくる中、たまに混ざっているのが劣悪な品質のマスクです。
フィルター性能などは正直消費者側からはわかりませんが、
わかりやすいのは、口の形がわかるほど透けているもの。
無論フィルター性能は劣るため、他のマスクがあるならばそちらに変えましょう。
夏のマスク着用について
「マスクが暑い!!着けていたくない!!!!!」
そんな切実な声にお答えします!!!
そんなことはありません!
マスクの効果が期待できない時には、外して構いません。
マスクの主な効果は以下の2つ
・他人の飛沫を受け取らないようにする
・自分の飛沫を広げないようにする
つまりは『自分も周りの人も飛沫を飛ばさない環境』であれば
マスクを着けている意味はほとんどなくなるのです!
具体的には、次の質問をご確認ください。
以下の2つの条件が同時に満たされているときに、外すことができます。
①誰かの飛沫を浴びる可能性が低いとき
=半径2m以内に他人がいないとき
②自分が飛沫を出す可能性が低いとき
=喋らない、咳・くしゃみの症状が出ていないとき
たとえば外を歩いているときに、周りに人影がなく
自分もひとり黙って歩いている……というような場面では
マスクを着けている必要はありません。
あまり知られていないことですが、
濡れた状態のマスクは、感染予防効果が低下します。
・フィルターが機能しなくなる
・フィルターの抵抗が増し、フィルターを通らず頬のあたりの隙間から
空気が流入することになる
などが理由になります。
そのため、替えのマスクを用意しておくと安心です。
温かい息がマスク内にたまってしまうのが大きな原因です。
そのため
・冷感素材のマスクにする
・マスクを外せるタイミングで外し、中の空気を入れ替える
・冷たい飲み物や氷を口に含み、息を冷たくする
・首元を冷やし、息を冷たくする
などが有効です。
冷感素材には、実際に温度が下がるものと、
錯覚で涼しく感じるものとに分かれるため注意が必要です。
後者の場合には、温度上昇に気づかず熱中症になる
リスクが特に高いので、注意しながら過ごしてください。
マスクの使いまわしについて
最近は落ち着いてきましたが、マスクが品薄になったり
使い捨てはもったいないと思ったり……
誰もが検討したであろう「マスクの使いまわし」について説明します。
「可能」ですが「推奨」ではありません、が答えになります。
やむを得ず使い回す際には
・自分専用のマスクとする
・毎日洗濯・乾燥をする
・傷んできたら交換する
……をルールとしてください。
推奨しない理由は
・フィルターが弱る
・洗濯・乾燥が不十分な場合の感染リスク
可能とする理由は
・つけないよりはマシ!
・フィルターが弱るといっても、フィルターを通さない外気流入・流出は
どうしても起こってしまうため、厳密に気にする必要はないから
……となります。
リスクと天秤にかけて、各自で判断する必要があります。
使い捨てフィルターを挟んでいても、洗濯は必要です。
フィルターも完全なものではありませんし、
マスクの外側にはウイルスが付着している可能性もあります。
使い捨てフィルターは、化粧や皮脂などの
汚れがマスクに付着するのを防ぐ程度のものだと思っておきましょう。
不要です。
フィルターへのダメージを考えると推奨できません。
中性洗剤を使って洗うことが重要です。
ハイターのみだと、飛沫に含まれる有機物がバリアになって
ウイルスを不活化できない可能性があるため
より注意が必要です。
いかがでしたか?
よくある質問を取り上げましたが、もしも他に気になることがあれば
下のメールフォームからお問い合わせください♪
当社では、
・従業員の皆さんの「恐怖心」を知識でカバーする
・正しい「消毒技術」を身に着けていただく
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この研修は、過去には病院の医師・看護師をはじめとする医療従事者向けに行われた研修を、
医療・感染症の知識がない方にもわかりやすくしたものになっています。
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