「契約しておしまい」じゃない、進化する清掃
人がやる清掃、人が過ごす病院──刻一刻と変化するその環境を、わたしたちは「契約」「仕様」を盾に無視しません。
もしも、契約・仕様に入っていない箇所に汚れやホコリが見られたときに、それを無視して「問題ありません」なんて言えるような清掃会社に、わたしたちはなりたくありません。
わたしたちにできることを考えて、病院様に報告します。
「環境衛生」という立場に立ち、療養環境の向上のために、病院様と共に歩ませていただく ── そんな嬉しい関わり方をさせていただけるのだとしたら、わたしたちは「契約締結」では満足できません。
わたしたちが目指すのは、刻一刻と変化する療養環境に、適応して、進化する清掃。
清掃状況と療養環境の「今」を把握し、「対応策」を考え、療養環境向上のお手伝いをする。
そのPDCAサイクルの中心に「清掃品質チェック」を位置付けています。
医療環境管理士による定期的な清掃品質チェック
「感染対策」「環境衛生」の視点を大切にした清掃品質チェック
月1回~2カ月に1回を中心に、 病院様のご都合に合わせた頻度で定期的な清掃品質チェックを行なっています。
ここでは、主なチェック項目を紹介します。
ATP(Adenosine TriPhosphate:アデノシン三リン酸)とは生物が生きていくうえで必要なエネルギーを作り出す物質です。
そのため、生体内に広く存在している物質と言えます。
わたしたちは、環境表面に存在するATPを「生物的な汚れ」として解釈し、 「病原体で汚染されている可能性」や 「今後病原体が繁殖する可能性」として捉え、 その数値を感染対策清掃の徹底度の指標として病院様のもとで働くさわやか社員の教育に活かしています。
清掃品質チェックでは、主にトイレのドアノブを計測箇所に設定し、フロアごとに1箇所ずつ計測しています。
また、病院様のご希望に合わせて院内の環境表面や職員様の手指衛生徹底状況なども計測いたします。
光沢度とは、鏡を100としたときに、その環境表面がどれだけ光を素直に反射するかを示す数値です。
これをワックス表面に応用すると、ワックス表面の平滑性の指標になります。
わたしたちは、この平滑性を一定以上に保つことで 床面に落下しやすいと言われる粒径5μm以上の汚れが ワックス表面の凹凸に入り込まないようにできる=汚染を取り除きやすい床面の状態を維持できると解釈し その数値を定期清掃の頻度の適正化等に活かしています。
清掃品質チェックでは、各フロアの廊下で計測しています。
数字だけでお堅くやっていくことで、患者様やそのご家族が病院を評価するときのような目で見て判断する「快適性」「清潔感」というものが損なわれてはなりません。
そのため、目視での点検も行なっております。
ホコリがおちていないか、水回りにカビは発生していないかなどのご契約いただいている清掃の範囲でのチェックはもちろん、例えば天井に目を向けて、エアコンは清潔か、吸気口は正常に機能しているか、家具は衛生的に保たれているかなど、せっかく全館をラウンドするので、衛生面でも広くチェックを行ないます。
清掃は、人がするものです。感染対策は、その人の使命感によって質が変わります。
だからこそ、PPEの着脱はしっかりと行っているか、始業前・終業後の手洗いは適切に行われているか、道具は清潔に管理できているかなど、スタッフの管理状況もチェックしています。
もちろん、衛生面のみに限らず、「あいさつ」「髪型」などのマナー面もチェックし、病院様に安心して業務をお任せいただけるような現場管理を行ないます。