№106 世界に不可欠なポーライトになろう

さわやかインタビュー
ポーライト様のご期待にお応えし、更にお役立ちできるように尽力してまいります!  菊池社長様、関取締役様、橋本執行役員様、齊藤副部長様を囲んで生涯青春! !

令和7年1月31日㈮

ポーライト株式会社 代表取締役社長 菊池 正史 様

生い立ちから入社まで

 私は埼玉生まれ、埼玉育ち。ずっと地元大宮で育ちました。
 昭和40年生まれで子供時代の私は、神社の裏庭でめんこ合戦やベーゴマで遊んだり、駄菓子屋に行ったり…と、色々な意味で今とは違う「昭和の時代」を、やんちゃをしながら楽しく過ごした、どこにでもいるようなガキ大将でした。勉強は好きな方ではなく、基礎を知ると応用も知った気になるような子どもだったので、試験になると応用が効かなかったこともありましたね。
 両親は、既にこの会社を経営していましたので、父 (前会長の菊池勇氏) と遊んだ記憶というのはあまり無く、父の記憶と言えば、いつも仕事に没頭している姿がまず浮かびます。また、会社と家が近かったので、従業員の方が家に来て仕事の話をすることもあり、そのまま食事をしたり、お酒を飲んだり、時にはマージャンをしているイメージです。思えば、私は麻雀の雀牌をかき回す音を子守歌に寝ていたという感じです。
 そして、来客用に料理や後片付けをしている姿が、母の記憶として残っています。
 大学は経済の経営で文系でしたが、折しもバブル絶頂期で、学生がもてはやされた時代でした。私も例外ではなくテニスやスキーに没頭していました。特にスキーは子どもの頃から山籠りをするほどで、本気でインストラクターになろうと思っていましたが、親の反対もあり、大学卒業後は伯父の菊池辰之介が創業した東京オイレスメタル工業株式会社 (ポーライト株式会社の前身) に入社しました。

会社の成り立ちと経営を学んだ海外赴任の10年

 入社後は技術部門に配属となり、土日もないほど忙しく3、4年の経験を積みました。
 粉末冶金は金属加工法の一つです。一般的に思い浮かぶ金属加工は、鉄や銅の鋼材を溶かしたり削ったりして作るものですが、粉末冶金は様々な金属粉末を押し固めて焼結し、金属製品を作ります。
 元々はドイツで軍事用に使われ、その後アメリカに流れた技術らしいのですが、ライフルや照準器のように粉末冶金の製品を軍事兵器用に作っていたそうです。それが一般的になり、自動車部品にも使われるようになってきた何百年という歴史の中で、創業者が銅粉末を使った含油軸受を開発しました。今までは、機械構造部品を作ることが多かった技術で「軸受」の開発を始めたのです。
 昔は足踏みのミシンがありましたが、あれは油を注さないと踏み板が回らなくなり、徐々に摩耗していきます。それを解決したのが当社の技術で、注油不要で製品から勝手に油が出る含油軸受を開発し、それが扇風機のモーターなどに広く使われていきました。
 「金属で軸を持たせる」という技術は粉末冶金製法でなければできないもので、それが日系の同業他社は追従できない技術力にまで成長してきたというのが歴史的な背景です。粉末冶金と一口に言っても、他社とは違い軸受から派生していったのが、この会社の成り立ちです。
 私が入社した時には、今の基盤は出来上がっており、かなりの特許も取得していました。
 モーターメーカーがメインのお客様だったので、モーターメーカーが海外に進出すると、当社も追従して海外進出をしていきました。当時は、NISC (新興工業経済地域) に、お客さまが集中して工場を出していきましたので、台湾や香港、ASEAN地区のシンガポール、マレーシア、タイに進出しました。地産地消の原理でいうと、「お客さまのいる所でモノを作りましょう」という形で、次々と海外に進出していったことで、お客さまが更に拡大し、売上も利益も出させていただいたという現実がありました。「お客さまの近くでモノづくりをする」ということは必然なのだと思います。
 そんな流れの中で、40代のほとんどを香港と中国で過ごしました。
 そこで初めて工場の閉鎖までを、仕事として携わりました。
 中国には工場が2つありましたが、これからの時代、同じような物が作れる工場を同じ国の中で分散させること自体に必要が無いと判断してのクローズでした。工場の立ち上げは、それ行けどんどんで、簡単です。ところが、クローズはネガティブな内容ですから、従業員のモチベーションも保ちながら、お客さまの生産、デリバリーも担保しなければならず、このコントロールはとても大変でした。完全撤退までに3年かかりました。
 香港、シンガポール工場も見直しを行い、現在は台湾・中国・マレーシア・インドの4工場です。
 この10年間はある意味、経営の勉強をする時間でした。日本にいれば、どこか一部署の部分仕事というのはできますが、全体の経営を見るには海外は最高の場所だったと思います。
 海外では、全てを自分で統括しなければならず、かっこよく「社長」という肩書で行ってはいるのですが、雑用も含めて全て自分の仕事なので、「これは私の仕事ではありません」とは言えません。そのようなことを経営者の立場として感じると共に、自然と知識や経験が身に付きました。
 属性があるところに縦割りで、いろいろな部署を任せられるという立場しか経験してこなかった人は、そこの属性しか持ち合わせていないので、総合的な部分は「俺じゃないよ」ということになります。「この荷物って、おまえのとこの荷物だろ」というふうになってしまうのです。ですが、総合的に経営を見るということは「その荷物、私の荷物じゃないよ」とは絶対に言えません。何か失態があれば、それを誰が起こそうと、経営者が記者会見をするのです。経営責任はそこにあり、それをよく勉強したという想いがあります。
 今でも全体統制というのは自分ですし、全ての責任は自分にあると思っています。そういう自負がなかったら、「経営」はしないほうがよいのではないかとも思っています。そんなことを学べた海外赴任でした。10年間も単身赴任でしたから、家族には寂しい思いをさせてしまいましたが、今が幸せであれば… と思います。

ポーライトの提供する価値、強み

 当社の販売分野は、大きく分けると弱電関係、家電関係や事務機、自動車関係になります。製品別では、軸受と機械部品に分かれますが軸受は単価ベースが低いです。ところが、大きなギアだと単価は高くなりますので、売り上げは上がります。全グループを合計したグラフを見ると、大きなギアが多い自動車関係が半分ぐらいを占めます。でもそれは、やっているものが大きいから、売上比率が高いだけでそれを利益で換算したときにどうなるかというと、軸受の利益率は、非常に高いです。自動車部品は数量が多いので、経営の安定化に寄与している部分は多々あるかと思いますが、コストが厳しい中で勝負をしなくてはならない側面があります。
 それから、パソコンやコピーマシン等の使用時に発生する熱を冷却するために、小型のファンモーターが付くのですが、その「軸受」がこの工場の主力製品になっています。この工場で生産した製品が世界各地に輸出されています。最終的には中国が一番多いのですが、そこで組み立てられ、様々な製品に乗って、世界中に回っていくのです。
 例えば、軸受だけでもこの工場で月産約6000万個製造します。グループですと月産何億個と造りますので、世界中で出荷される当社の部品が組み込まれた製品の品質を担保しなければならないということなのです。考えただけでも恐ろしくなります。
 品質の確かさは、今までの歴史の中ですでに裏付けされていますので、パソコン、コピーマシン、自動車にも使っていただけるということが、「ポーライト」というブランドを、信用いただいている証だと自負しています。
 特に「軸受」に関しては、端的に言うとノウハウの塊なので、他社は追従できないと思います。
 例えば歯車はギアならギアを噛み合わせるというように、何かを駆動させるための機構を促す「機構部品」ですが、軸受は「要素部品」なのです。製品だけ見ると、ただの円筒形なのですが、筒の中身は、オイル、中の形状、精度も含めて、大変なノウハウが入っているのです。技術開発が長年培い、ブラッシュアップをして現在に至っているのです。だから、付加価値の高さというのは機構部品よりも要素部品にあるので、これを他社が同じように作ろうと思っても、作り方も明かしていないので、作り方が分からないはずなのです。それをお客さまにお使いいただくと、「音も静かですね」という評価になります。
 そのモーターがEV自動車等の消費電力にも効いてくるし、音の問題もクリアしているので、これからもいろいろなところに使っていただける可能性があると思っています。

ポーライト株式会社 本社・伊奈工場 〒362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室4852番地1 埼玉新都市交通ニューシャトル 志久駅から徒歩5分

企業はレガシーだけでは生きられない

 企業はレガシーだけでは生きられないと思っています。
 過去の実績にあぐらをかいた瞬間に、企業は衰退していくのだと思います。私は何となくそのような状況にあったポーライトを理解していますし、「駄目だな」と感じていましたので、自分が社長になった時に、ブラッシュアップをしていくことと、新しい開発品を次々と世の中に提案していくことで、お客様のニーズとマッチアップさせることが大切だと考えていました。これが自ら営業に行く理由の一つです。
 必要であれば、海外へも行きます。工場にももちろん行きますが、工場に行くだけではなく、必ずお客様をアテンドします。
 また、最近私が取り組んでいることとして、「復習をしっかりと行う」ということがあります。今までの当社は、期の終わりになると、当期の総括もしないで次の予算を立てていました。その前に「なぜ達成できなかったのか?」という、小学校の時に先生によく言われた予習と復習の復習ができていなかったのですね。最近は、復習をしっかりして、何が原因で達成できなかったのかを分析することに力を入れています。

ポーライトのヘッドオフィス建設のビジョンと目的

 日進(さいたま市北区日進) の本社と工場が老朽化してきたことが始まりでしたが、その場所は住宅地ということで、建て替えることが不可能だったところに、縁あってこの場所 (埼玉県伊奈町) に土地を見つけることができました。
 構想としては、グローバル本社として本社と工場を分け、ポーライトグループのヘッドオフィスとして、そのガバナンスと海外工場も含めた全体の掌握をここで行い、様々な発信をしていくことをコンセプトとしています。
 手前味噌にはなりますが、当社は「軸受」に関してはグローバル・ナンバー・ワンです。ナンバーワンであれば、ナンバーワンの製品を作れる環境を整えましょうということで、併設の伊奈工場は最新鋭の工場になっています。また、研究開発部門では日々新しいモノへのチャレンジを行っています。
 新工場のプランは、固定概念を捨てるところから始めました。固定概念があるとそれが当たり前だと思ってしまい、良い発想が出てこない。単純に自動化は、AGVが走れば自動化だとか、ロボットアームがくっついて、こうやって取ればそれが自動化だ、というのは違わないか? 「ロボットがいることによって何人、省人化できます」以前に、「開け替えが多過ぎない?」とか、そういうことが品質にも影響してくるのです。
 そこが具現化されると、外部の方にお越しいただいても、グループ会社の人間が来ても、「おっ、なるほど」と思ってもらえます。例えばロボットアームが、たくさん動いていたら、厳しい方は、これで「生産性、何パーセント上がるのですか?」「コストはどれ位下がっているのですか?」ということ問いかけると思います。私だったら、見た目の良さよりもそちらを追求すると思います。例としては、今までは机上のパソコンや紙で確認していたことを、大型モニターを各所に配置し、全員が最新の情報を共有できるように「見える化」を推進することにより「何を促すか、どう行動するか」ということが常に管理者の頭の中にあるような工場を目指しています。

新日本ビルサービスの評価と期待すること

 朝、出社すると、さわやか社員の方がいつも元気よく「おはようございます」と声をかけてくださり、素晴らしいと感じています。
 清掃する、しないは、5Sの一環ではあるのかもしれませんが、あまりにも、おんぶに抱っこになり過ぎて、そういう意識が希薄にならないか心配になるときがあります。自分たちでやらなければならない所を御社に面倒を見ていただいている分、我々はもっと仕事の効率を良くしなければならないと感じています。


橋本 本社と工場が一緒というのは、なかなか珍しいと思っています。コミュニケーションも良く取れますし、他にも良い面がたくさんあります。現場での「5S」は非常に重要な活動です。間接部門も同じ目線でいるよという意味も込めて実際に5S活動を行っています。自分たちで職場環境を良くする活動を継続しつつも、エントランスや応接室など会社の顔となる部分に関しては、プロにお任せするなど、バランスを取ってやっていきたいと思います。
 これから、芝生がだんだん元気になってきますので、芝生の養生など外周りのメンテナンスをコストダウンできる方法を提案いただければうれしいですね。
 外周りのメンテナンスもしっかり行って初めて、このデザインしていただいた工場が映えるのだと思います。周りが雑草だらけではピンとこないですよね。

仕事と人生において菊池社長が大事にしてること

 「自分の思いを持つ」ということです。抽象的な話かもしれませんが、自分の思いを持ち続けるということが大切だと思っています。それと、「具現化する」ということです。理想はあくまで理想であって… でも理想を現実にしていくのが、われわれの仕事だと思っているし、そうすることで見ている人たちが信用してくれるのだと思います。言うだけ言って、何も実行できていない、言っていることが変わってしまう経営者が多々いるので、そういう人間にはなりたくないと思っています。それと、自分が目的を達成したいという強い思いを持つことだと思っています。“夢は叶うもの”だという言葉がありますが、夢は叶わない(具現化できない)から夢なのだと思います。経営者というのは夢ではないものを自分の中に持ち、具現化していくことを積み重ねて、最終的には皆さんに還元していくことが仕事で、私に与えられた責務だと思っています。
 理想を具現化することは私のポリシーであり、絶対に曲げたくないところですね。

ポーライトのビジョン

 会社の規模を、どんどん大きくしていくこと。そしてそれについていける体力をつけること。その為には人の教育に注力していく必要があると考えています。
 小企業から成り立ってきているので、成長の歪みを感じます。管理面では、目安が必要だと思いますので、何を指標とするかと言えば、やはり上場基準に見合ったような管理基準に持っていくことが、まずは会社として成り立つためにも、これからいろいろなことをやっていくためにも必要な部分だと思っています。誰からも認められる企業を目指していきます。

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 皆様こんにちは。 今回は2025年2月1日より清掃業務をお任せいただいております横浜じんせい病院様をご紹介します。 2015年に設立された横浜じんせい病院様は最寄り駅である「港南中央駅」から徒歩3分という通院しやすい立…

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